H29.3 外貨を稼ぐ

  町の新たな観光名所となるよう整備を進めてきた白石川堤外地親水公園や桜の小径(こみち)がいよいよ完成します。

 白石川堤外地親水公園は、しばた千桜橋の西側に位置し、鷺沼排水路を挟んだ高水敷(こうすいじき)には、ウッドデッキや町制施行60周年記念モニュメントを設置します。また、太鼓橋(たいこばし)や飛び石を利用して楽しく回遊することができます。さらに、東北本線と旧国道4号の間の用地を活用して整備した桜の小径に、八重紅しだれ桜や陽光桜を植栽したことで、これまでの3列の染井吉野の桜並木に加え、2列の桜並木が加わることになりました。展望デッキからは5列の見事な桜並木を眺望できるようになり、まさに世界に誇れるような花見の新名所が誕生しました。私はこれを「五連桜(ごれんさくら)」として国内外にアピールしていきたいと考えています。

 特に今回、東北観光復興対策交付金を活用した事業が認められましたので、インバウンドをさらに強化するため、大河原町では屋形船による花見の宴を、柴田町では茶道を東北の花見の文化として体験してもらうことにしました。

 今や、白石川堤一目千本桜はタイの日本行き旅行ガイドブックにも載っています。また、香港から宮城県への観光客を増やすために、船岡城址公園のスロープカーと白石川堤一目千本桜がラッピングされた二階建ての路線バスが香港中心部を走り、花のまち柴田のPRに一役買っています。

 このように、白石川堤一目千本桜や船岡城址公園の桜を通じて、柴田町の知名度が東南アジアまで広がっています。知名度がアップしていることは、町に寄付されたふるさと納税が前年度の約2.5倍、1億3600万円(平成28年12月31日現在)になったことでもわかります。

 柴田町の魅力を情報発信し、人を呼び込み、外貨を稼ぎ、それを地域内で循環させ、新たな仕事おこしに結びつけていくこと、それが今進めている地方創生の意図するところです。

 今後さらに、外貨を稼ぐ機会を増やすため、3月18日から20日までの3日間、初めて「しばたスプリング・フラワー・フェスティバル」を船岡城址公園で開催します。多くの観光客に花の魅力に満ちた観光地として、柴田町を選んでいただけるようプロモーション活動を展開してまいります。

 

 ※高水敷…常に水が流れる低水路より一段高い部分の敷地のこと

 

 

                       平成29年3月  柴田町長 滝口 茂

H29.2 フットパスによるまちづくり

   少しずつ暖かい日差しが差し込んできました。

 もうすぐ立春。そろそろ野山を歩きたくなるような気分です。

 この「歩く」ということを町の重点施策に据えたのがフットパス構想です。フットパスとは、豊かな自然や昔からの町並み、田園風景など、ありのままの風景を楽しみながら歩くことができる小径のことです。イギリスが発祥の地とされています。

 フットパスはこれまでのハイキングやウォーキングとは異なり、気分転換や健康づくりに野山を歩くだけではなく、地元の歴史や文化を学んだり、地元の温かいおもてなしに触れたり、おいしい郷土料理や特産品を食べたりする楽しさを提供してくれます。

 フットパスを新たなまちづくりの手法として、先進的に取り組んでいるのが山形県長井市や秋田県の由利本荘市です。

 町でも昨年からフットパスサポーターのメンバーによって、モデルコースの開発が進められています。

 一つ目は、船岡駅を起点に、白石川の土手を西に歩き「しばた千桜橋」を経て船岡城址公園に向かい、帰りは白鳥神社やお寺を参拝し、まち中を散策しながら船岡駅に戻るコースです。春は桜やレンギョウ、秋は曼珠沙華など四季折々の花を観ることができます。

 二つ目は、槻木駅を起点に、炭釜横穴古墳や四日市場山神社に向かい、上川名貝塚を見て、旧富上分校に至るものです。帰りは、西に蔵王連邦を仰ぎながら、広々とした田園地帯をのんびり歩き、槻木駅に戻るコースです。このコースでは、古くから槻木の地で暮らしていた先人たちの営みの痕跡に触れることができます。

 今後、フットパスコースを多くの人に歩いてもらうためには、コースのサイン表示や解説板、トイレなどの整備を行っていく必要があります。しかし、フットパスで一番大切なことは、地域の人たちが、日々の営みや暮らしぶりに誇りを持ち、その生きざまを、自信をもって来訪者に伝えることではないかと思います。そのおもてなしが、この地を再び訪れたいと思うリピーターにつながるのです。

 フットパスという新たな施策は始まったばかりですので、多くの人にその意義や楽しさ、魅力を理解していただけるよう努力してまいります。

 

 

                       平成29年2月  柴田町長 滝口 茂

 H29.1 新しい未来社会の創造に向けて ~地方創生に全力投球~

 

   新年あけましておめでとうございます。

 

   昨年は、柴田町制施行60周年記念事業として念願だった全国さくらサミットや60周年記念式典を多くの参加者のもとに開催出来ましたこと、改めて感謝申し上げます。

   年が明けた平成29年は、決意を新たにして、柴田町の未来の創造に向かって、歩みを始めたいと思います。

   さて、国も地方も経済のグローバル化や少子高齢化社会の進展といった大きな潮流の渦に巻き込まれ、閉塞感が漂った中にあります。今こそ、将来の国のあり方や社会・経済のあり方が問われているときはありません。地方においても、人口の流出や産業の空洞化がもたらす地域経済の衰退、無縁社会の進展に伴う地域コミュニティの崩壊、自治体の財政難など、切実な問題に直面しています。こうした喫緊の問題に的確に対応しながら、いかに持続可能な社会を実現していくか、自治体の力量が問われています。

   幸いにも、地方消滅という逆風が吹き荒れている地方において、小さな潮流ではありますが、※1インバウンドや田園回帰といったローカル志向の追い風が吹き始めてきました。まさに、グローバルとローカルが混在した※2グローカルな時代を迎えています。こうした時代の変化の中にあって、柴田町が次のステージに向かってステップアップしていくためには、グローカルな流れをしっかりと受け止め、町の魅力にさらに研きをかけて、国内外に情報発信していくことが重要ではないかと思っています。そのためにはまず、当面する課題である介護、子育て、冠水対策、生活環境の整備に意を用いながらも、将来のまちの姿を見据えた地方版総合戦略を着実に実施し、総合体育館、図書館、学校給食センターの建設といった大型プロジェクトにも道筋を付けていく年にしたいと思っています。

 

●まち・ひと・しごと創生総合戦略 

 

   まず、今年、重点的に取り組むのが「花のまち柴田」を切り口とした地方創生です。

現在、町は、「地方版総合戦略」のもとに、新たな人の流れ、仕事おこしを通じて定住を促すために、観光まちづくりに全力を挙げています。その戦略の一つがインバウンド政策です。これは、外国人をも引き付ける世界に拓かれた花見の名所である白石川一目千本桜から船岡城址公園を経て、まち中を巡る花回廊を整備し、商店街に人を呼び込み、にぎわいを創出しようとする試みです。

   昨年は、2千人余りの外国人観光客が花見に訪れ、「しばた千桜橋」から蔵王の山並みを背景とした白石川堤一目千本桜を堪能していただきました。

   次に取り組むのが、フットパスによる元気なまちづくりです。地域がこれまで育んできた歴史や文化、自然を一つの道でつなぎ、地域の人との交流の場になる小さな拠点づくりを通じて、農業・農村の魅力を肌で感じてもらおうとするものです。

   私としては、こうしたまちおこしや地域おこしプロジェクトに、多くの人が関わることで、柴田町の未来を担う自立的・主体的な人材が育ち、彼らによって町の魅力や誇りが次の世代に引き継がれていくものと思っています。

 

●社会インフラの整備

 

 次に取り組むのが社会資本の整備です。

   町民の日常生活や企業などの経済活動の舞台となる都市空間を快適で魅力あるように※3リノベーションしていく必要があります。その骨格となる道路整備については、集落間を結ぶ重要な路線として町道富沢16号線の完成を急ぐとともに、安全な通学路を確保するために町道船岡南11号線や町道船岡南8号線の歩道を整備します。

   町民の憩いの場、交流の場となる公園整備については、八重紅しだれ桜と陽光桜を植栽した桜の小径(こみち)やリバーサイドパークとして白石川堤外地親水公園が完成しますので、4月には歩いて楽しい新たな回遊ルートが誕生します。

   北船岡町営住宅建替え事業として、3階建ての4号棟を建設し、住み心地の良い居住空間を整備します。さらに、2市7町の「燃やせるごみ」や「プラスチック製の粗大ごみ」の処理を一手に行う、最先端技術を導入した仙南クリーンセンターがいよいよ4月1日から本格稼動します。

 

●地域産業の再生

 

   地域の経済を活性化させるために、観光まちづくりをさらに進化させ、多くの人を呼び込み、にぎわいをつくり出す中で、新たなビジネスや雇用機会の拡大を目指します。

   昨年、町は国から創業支援事業計画の認定を受けました。新たに商工観光課に創業相談窓口を設け、商工会、町内金融機関と連携し、相談者へのアドバイスや資金調達の方法などを支援していくことにしています。

   また、商店街を活性化させるために※4まちゼミや※5リノベーションスクールを開催するとともに、観光客や買い物客が小物づくりや創作料理に積極的に参加できる仕組みづくりに取り組みます。

   農村部では、集落ビジネスに取り組む中で、どぶろくの製造販売が出来るよう支援して参ります。

ほ場整備については、先行している中名生・下名生地区がいよいよ事業に着手します。また、富沢・上川名地区、葉坂地区も平成28年度から県調査事業に着手しており、今年度は促進計画を作成する予定です。その他4地区(入間田、船迫・小成田、成田、海老穴)においても、ほ場整備の機運が高まっているので、推進協議会の運営・設立に対し、町としても支援して参ります。

 

●安全・安心な暮らしの実現

 

   自然災害への対応策としては、本格的な鷺沼排水路の整備や下名生剣水地区などの局地的な冠水被害の解消に努めて参ります。

   また、子どもたちが安全に学校に通い、快適な学習環境の中で勉強が出来るよう、船岡小学校の大規模改修、船迫小学校および槻木小学校の暖房機の更新、東船岡小学校や船迫中学校のトイレの洋式化など、学校施設の改修を進めます。

   さらに、犯罪や事故に巻き込まれないように防犯灯や防犯カメラを地域や関係団体と連携して設置し、犯罪の抑止力強化に努めて参ります。

   若い世代が安心して子どもを生み、育てられるための経済的支援策として、今年4月1日から子ども医療費の所得制限を撤廃し、中学校3年生までのすべての子どもたちに対し医療費を助成します。

   また、結婚、妊娠、出産、子育てまでのライフスタイルに合わせた子育て支援体制の整備に努めるとともに、子どもの貧困対策として「子どもの貧困対策整備計画」を策定します。

   高齢者が地域で安心して暮らせるよう医療・介護、住まい、生活支援、介護予防が一体となって提供される地域包括ケアシステムの構築について、そのシステムの基本となる医療と介護の連携を重点的に取り組みます。

 

●スポーツ文化によるにぎわいの創出

 

   心豊かに暮らすための都市施設として、また、スポーツの拠点となる総合体育館については、昨年ボーリング調査を終えました。今年は、具体的な総合体育館のイメージを描けるよう基本計画を策定して参ります。町民の皆さまや議会の理解が得られれば、平成30・31年度に基本設計および実施設計を行い、平成32年度に工事に着手したいと考えております。

   太陽の村では、子どもたちの冒険遊び場となるよう、スリルを味わえる遊具を整備するとともに、今年4月には石窯ピザや牛タン料理が食べられるお店が開店しますので、その相乗効果によって、太陽の村開設当時のにぎわいを取り戻して参ります。さらに昨年、白石市、仙台大学と連携しながら、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿を誘致するホストタウンに名乗りを上げましたので、今年は、国の指定に向けて全力を挙げて参ります。

   また、新たな花の文化の創造を目指して、船岡城址公園山頂の里山ガーデンハウス周辺において、梅、サンシュユ、ロウバイ、マンサクなど、早春の彩りを楽しむスプリングフラワーフェスティバルを新たなイベントとして開催します。

   最後に、じわりと忍び寄る自治体の危機に直面する中で、再び予測できない未来に向かって歩みを始めようとする今、おそらく、前途にはさまざまな試練や困難が立ちはだかるかもしれません。しかし、「明日の天気は変えられなくても、明日の未来は変えられる」といった気概を持って私たちは新しい未来社会の創造に向かって、前へ前へと歩んでいかなければなりません。

   町民一人一人が知恵や勇気を持ってまちづくりにチャレンジし、心を一つにして行動していけば、必ずや柴田町が「行ってみたい街、住んでみたい街、ナンバーワン」になることも夢ではないと思います。

   町民みんなで苦労という種をまき、努力という水をかけ続けていけば、将来必ずや満足の花が咲くと思います。

   柴田町にしっかりと根をおろし、柴田町とともに歩んできた地元の私たちがまず立ち上がり、共に汗をかいてこそ、輝かしい柴田町の未来が拓けるものと思います。

   今年一年よろしくお願い申し上げます。

 

                 平成29年1月   柴田町長 滝口 茂

 

 

※1:インバウンド…訪日外国人旅行者のこと

※2:グローカル…グローバル(世界)とローカル(地域)をつなぎ合わせた造語で世界的な発想で地域性を持つこと

※3:リノベーション…既存の物に大規模な改善や改修工事を行い、性能を向上させること

※4:まちゼミ…商店主が講師となって、専門知識やプロならではのコツを教えること

※5:リノベーションスクール…遊休不動産を有効活用し、その周辺エリアの価値の向上と雇用創出を学ぶこと

 

   

 

 

 

H28.12 冬の風物詩光の祭典

  

 冬の風物詩となった光の祭典がいよいよ開幕します。

 町民が主体となって始めた槻木駅前での「メタセコイヤの奇跡!光り輝け槻木駅」や柴田ライオンズクラブが始めた船岡駅前での「光り輝け!しばたのイルミネーション」には、「明るい希望の光を子どもたちに届けたい」との願いが込められています。

 平成23年度からは、東日本大震災からの復興を願って、船岡城址公園にもイルミネーションを飾るとともに、白石川にも「心一つ」の光文字をつくり、復興への意気込みを示しました。

 その後も少しずつイルミネーションを増やし、バージョンアップを図ってきた結果、昨年は23日間に約8千人のお客さまがスロープカーを利用し、船岡城址公園山頂に足を運んでいただきました。 

 午後6時台は、おじいちゃんやおばあちゃんと孫たち、午後7時台は仙台ナンバーの車に乗った若いカップルが目立っています。「こんなにイルミネーションがきれいだとは思わなかった」「山頂からの夜景が素晴らしい」とのお褒めの言葉をいただいています。

 柴田町のイルミネーションの魅力は、山全体が幻想的な光の輝きに包まれることです。SENDAI光のページェントなどのように、都会の街路樹や公園を会場とした平板な光の祭典とは異なり、標高差がある分、下から登って行くごとに表情を変えるイルミネーションは見ごたえがあります。

 また、山頂からは、100万ドルの夜景といわれる函館山からの眺望を思わせるような美しさが眼下に堪能できます。

 今年はさらに様々なアイディアを凝らし、集客力を高めようと意気込んでいたところ、ここにきて、スロープカーのモーターに不具合が見つかり、残念なことに、この冬は運休せざるを得なくなってしまいました。山頂でのイルミネーションの規模は縮小し、さくらの里駐車場周辺や樅の木参道、展望デッキ付近で、子どもたちや若いカップルが喜びや幸せを感じられるような楽しい演出を用意したいと思っています。ぜひ、町内で繰り広げられる光の祭典にお出掛けください。

                

                平成28年12月   柴田町長 滝口 茂

                              

             

H28.11  働き方の改革とは

  国は働き方の改革に着手しようとしています。その背景には人口減少時代を迎え、働き手となる年齢層(15~64才)が大幅に減っていることへの危機感があります。今後さらに、人口減少が加速すれば、わが国の経済社会に大きなマイナスとなり、社会の活力を減退させてしまいかねません。特に、高齢化社会を支える介護人材の不足が懸念されています。その対策として国が打ち出しているのが、一つに、仕事が同じなら賃金も同じにする「同一労働同一賃金」の導入です。二つに、高齢者や女性の就労を拡大するための多様な働き方の仕組みづくりです。三つに、本格的に海外からの人材を導入することなどです。

 このように、人手不足を補う方法をあらゆる角度から検討することに異論はありませんが、もっと人手不足や働き方の本質に目を向けてほしいと思います。まず一番先にメスを入れなければならないのが、派遣や非正規社員として働かざるを得ないことによる若者の貧困問題だと思います。

 わが国がこれまで成長、発展できたのは従業員を家族の一員のように大切にし、終身雇用を維持し続けてきたことによるものです。また、「職業に貴賤なし」どんな仕事でもお互い尊重していた風潮がありました。

 しかし、いつ頃からかわが国では、高層ビルの中でお金を儲ける企業で働くことがもてはやされ、いわゆる3K職場は敬遠されがちです。また、雇用形態の規制緩和によって、会社が苦しくなればいつでも自由に派遣社員を解雇にできる労働環境になってしまいました。人を大切にしない社会、若者が結婚し安心して子供が生めない社会が、回りまわって今日の人手不足を招いているように思えてなりません。

 働き方の改革とは、まず、若者が将来に不安を持つことなく働き、自分のスキルを研き、会社や社会に貢献できる社会をつくることが先決だと思います。そのための一丁目一番地が、非正規社員の正社員化であり、介護職場の待遇改善と仕事への正しい評価だと思います。

                              

             平成28年11月  柴田町長 滝口 茂

 

 

H28.10  農業農村の再興                                                                                

 たわわに実った稲をコンバインで刈る農家の方々の表情は明るい。田起こしに始まって種をまき、水を管理しながら育ててきた苦労が報われる「収穫の季節」を迎えました。しかし、水田農業の先が見通せず、そのため、農業に見切りをつける人が増え、日本の農業就業人口は二百万人を切ってしまいました。(※)

 農業の担い手が減った分、遊休農地や耕作放棄地が増えて農地の荒廃が進み、さらに、中山間地域では集落の崩壊が懸念される事態が生じるなど、日本の農業はまさに危機に直面しています。

 このような農業の衰退は、農家や農業団体の努力不足のせいではありません。大きな要因は、「米は日本人の命の源」という神聖な考え方から、単なる穀物商品として扱われるようになったことにあります。商品となれば、市場競争に打ち勝つだけのコスト削減や貿易自由化への取り組み、ブランド化の推進などの対応を優先させざるを得なくなります。

 そこで、農業の大転換と称して国が打ち出してきたのが、農地の大規模化や減反政策の廃止であり、企業が農業に参入することを後押しするなどの改革です。

 しかし、この改革が推し進められれば、弱肉強食の市場経済のもとでは、おそらく、小規模農家や地域の農業は淘汰されていくのではないかと心配しています。大規模な農業が営えても、地域の農業が滅びては元も子もないのです。

 なぜ、国の政策はこうもチグハグで、コロコロ変わる猫の目農政なのでしょうか。将来に向けて地域の農業を守り、持続的に発展させていくためには、なんといっても農業者自身が国や政治に頼らない自立した精神を持つことが必要です。

 幸いにも柴田町においては、ほ場整備や生産組織の法人化への取り組みが進んでいます。さらに、集落ぐるみでの事業おこしなど、自主的自立的な動きや、産直を通した消費者との連携も深まってきました。こうした新たな地域農業の発展の種火を燎原(りょうげん)の火のように広げていくことで、農業農村の再興が可能になると思います。

                             平成28年10月  柴田町長 滝口 茂

 

(※)平成28年2月1日現在の日本の農業就業人口は、192万2200人。

  (農林水産省 農業構造動態調査より)